アトピー性皮膚炎はアトピー素因という内因に環境因子という外因が加わって発症します。
アトピー素因 | 遺伝的な素因 |
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環境因子 | 皮膚や粘膜の防御能を傷害する「食事の乱れ」 |
元々ある遺伝的な素因はもう仕方ない事なので、それをいかに発現しないようにするかが重要です。
「食事の乱れ」とは?
過食や早食い、不規則な食事、加工食品・精製食品の多食、肉や肉製品・油脂の多食などです。
食事とアトピー性皮膚炎の連鎖
この異常反応が皮膚を舞台にして起こったためにアトピー性皮膚炎は発症するのです。
食べる量が適量でしかも十分咀嚼していれば、食べ物は十分に消化されますので異常反応は起こりにくくなります。
また、皮膚を舞台にせず、呼吸器を舞台にすれば喘息になります。
治療
アトピー性皮膚炎がなかなか治らないと言われる理由は、治療が表面的な皮膚の治療にばかり気を取られて、アトピー性皮膚炎になった原因に目を向けた治療を行っていないからです。
原因の治療について
それは食事です。
しかし当医院が行う食事療法はいわゆる除去食療法とは違います。
一時的にはある食品を避ける必要がありますが、その事を第一目標にしてはいません。
食事全体を見直すことを第一の目標としています。
砂糖について
砂糖や果糖は取りすぎると体内で脂肪に変わって皮脂分泌を盛んにし、皮膚病を悪化させます。又とりすぎによって血糖値が上昇すると、皮膚が過敏になり、細菌感染を起こしやすくなります。
アレルギーに良いとされる黒砂糖も取りすぎはよくありません。
香辛料、アルコールについて
血管運動中枢に作用して皮膚血管を拡張させるので、充血したりほてりを持つためアトピー性皮膚炎にはよくありません。
煙草について
タールは胃腸障害を引き起こし、ニコチンは血管を収縮させて血圧を上昇させます。
また、タバコには200種類もの有害物質が含まれています健康に良いことは何もありません。
間接喫煙もよくありませんので注意する必要があります。
日ごろからよく食べるべきもの
未精白米、小魚、大豆、大豆製品、海藻、ごま、野菜を主食として食べよく噛むこと。
また、果物は食べ過ぎないようにします。玄米は現代人は食べなれないので白米でなければいい程度に考えましょう。
重症アトピー性皮膚炎の食事について
重症アトピー性皮膚炎の食事について以下に示します。
症状が中等度の人、及び軽症の人はその程度に応じて食事内容を変更します。
絶対食べてはいけない物
肉、肉の加工品【ハム、ウインナー】、バター、チーズ、、牛乳、マーガリン、マヨネーズ、油を大量に使う料理【てんぷら、ラーメン、中華】、コーヒー、お茶、チョコレート、スナック菓子、洋菓子
以上は加工度が高い物です。肉もその育てる環境でホルモン剤や抗生物質が大量に投与されています。
少しだけ食べていいもの
脊の青いさかな【さば、さんま、いわし、かつお、あじ】、油を使っていないお菓子【和菓子、せんべい、ドライフルーツ、ナッツ】、プレーンヨーグルト
食べていいもの(蛋白質)
白身の魚、小魚、貝、かに、えび、卵はアレルギー反応が出なければよい。
漢方薬
漢方薬はアトピー性皮膚炎に非常に効果的ですが、漢方薬だけで治るものではありません。
特に大人のアトピー性皮膚炎は先に述べた生活上の注意を守ることが重要です。
漢方薬は非常に多種類のものがあり、患者さんの体質や病状によって使い分けます。
当院では漢方軟膏を使用してステロイドの使用頻度を極力減らしています。
入浴方法
入浴は無洗入浴をお勧めします。
石鹸もタオルも使わず、そのまま湯船に入るだけです。汚れや垢は自然とふやけた皮膚から落ちていきます。入浴時間は10分以上です。それ以下だと汚れが落ちません。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚は非常に敏感で、石鹸や摩擦に非常に弱くなっています。一般的な入浴をすることでさらに悪化させているのです。
西洋医学的治療法
イソジン療法
消毒薬のイソジンで患部を消毒します。広い部位は刷毛などを使います。消毒の回数は4回が基本です。
しかしなかなかその回数実践できる人は少ないです(特に冬場)。回数は減ってもそれなりの効果はあります。
アトピー性皮膚炎の患部にはおびただしい数の細菌が繁殖して、症状を悪化させています。消毒によって殺菌することで症状が和らぎます。
軟膏療法
多くの方のステロイドの軟膏の使い方が間違っています。
ステロイドでよくなるとすぐやめてしまうので、すぐに再発します。そしてステロイドに対する不信感を抱くのです。
正しいステロイド軟こうの使い方は1FT2handsです。つまり人差し指第1関節に出した一本の軟膏を手のひら2枚分の面積に塗るのです。かなりべたつく感じになります。これを1日2回。このくらい塗らないと効果ありません。
さらによくなってもやめずにほとんど目立たなくなるまで塗り続けます。そして次に回数を一日1回に減らします。さらにそれでもいい状態が続いたなら2日に1回に減らし、次第に週2回、週1回と漸減していくのです。ここまでしないと途中で止めちゃうとぶり返すのです。