サーズらは1956年に医師と患者の関係として以下の3つの分類をしています。赤字はヴィネの考え。
1.救急病院での患者
患者は主体的な対応ができず、近親者がその代役となる。医師との関係は親子関係に類似して医師との間に人間関係は成立しない
親子関係というより、圧倒的な医学知識の差によって完全に医師の行為に服従する状態。
2.大病院に紹介されるような患者
高熱や激しい痛みで自分で対応することができない状態。患者は医師の指示に従う状態に置かれる。親と青年期の子供の関係で対等な人間関係ではなく、指導するものとされるものとの関係
患者が医師の意見に従わないときは、青年期の反抗期に似ているが、医師は親ではないので温かく見守ることはせず「だったらうちではみられません」と突き放す。
3.生活習慣病や慢性疾患などで、患者は普通に社会生活を営んでいる。患者の自己管理が治療の中心となる。医師と患者の関係は対等が期待される。
患者自身の性格、社会的立場、それまでの人生がどうだったかによって医師との関係にはかなりの違いが生じる。医師と対等な立場で自らの病気を克服するように行動とる人もいれば、自分の都合のいい部分だけを受け入れて、そうでないものについてはどんな説得も聞き入れない人もいる。
17日の記事「赤ちゃん返りする患者」のケースは上記分類の3になります。一般開業医院では、多くの患者はある程度自分の都合のいいものだけを取り入れる傾向にあります。その結果多くの薬が捨てられたり、途中で来なくなったり、保険で適応にならないものを要求したりしてきます。医師と患者の関係が対等であるケースは1割に満たない気がします・・・・。( 一一)