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ブログ 一覧 (カテゴリ:医療)

今年はインフルの患者が非常に少なく、単発でポロ、ポロ、っと発生するだけです。

ここで誰も疑問に思わないんでしょうか?

「最初のインフル患者って、誰からもらったの?」

という疑問です。これは「渋滞の先頭ってどうなってんの?」の疑問に似ています。
例えば市原市でインフル患者が一例出たとします。いったいその患者はどこからもらったのでしょうか?近隣にはどこにも患者がいないんですよ。家畜ですか?それはあり得ないですよ。家畜だったら、まずその飼育施設で蔓延しますから。自然界の動物?まあそれもないでしょう。現代人自然界の動物との接触も少ないし。
 そして2週間くらいして千葉市で次のインフルの患者が出たとします。この患者さんは市原の患者さんからうつされたのでしょうか?いや、違うでしょう。だってウイルスは細胞の中でしか生きられないから、単独で長時間浮遊することはできません。

もしかするとウイルスって一時的に動物の細胞以外のどこかで、じっと休眠することができるのかもしれません。そして好機到来したときに動き出す能力を持っているのかもしれません。専門家からすれば荒唐無稽な空想かもしれませんが、われわれがウイルスのすべてを知っているわけではありません。

「インフルが乾燥と低温に強い」と言いますが、じゃあ「何で乾燥と低温に強いの?」に対する答えはありません。普通だったらウイルスは、外では小さな水滴の中で空中をさまよっているはずですから、乾燥した環境ではその居場所である水滴が消滅しやすくなりやすいので弱いはずです。ヴィネは乾燥した低温に強いのではなく、そういう環境では、人間は密閉したところで一緒に過ごしたくなるから感染しやすくなるのだと思っています。南の国では雨期にインフルがはやるのも、雨が降って外に出る機会が減るからです。

 

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タイトルの言葉はある医師が患者に対して放った言葉です。

この患者(70代女性)さんは当院に来られて、薬手帳を見せながら主治医に言われた言葉を紡ぐように話してくれました。薬手帳には16種類の薬が記載されていました。「ちょっと具合悪いこと言うとすぐに薬が出されます」「先生は薬の種類はわかっていると思うんですが、量(日数)は事務の人が決めるんです」「だから薬がすごく余っちゃって・・・」

「かなり飲み忘れあるんじゃないですか?」
と聞くと
「薬は自分で朝昼晩寝る前と飲む量を袋に入れてきちんと飲んでいます」
と答えました。しかしこれまでの経験から、十数種類もの薬を自己管理している方はほとんどいなかったので、すべての薬を持ってきてもらうことにしました。すると確かに朝昼晩寝る前と、出されている薬がきちんと分けて袋に入っていました。しかし今日なくなる薬もあればあと44日も残っている薬もあります。医師はいつも60日処方しているようですが、おそらく薬が追加になったときに、今まで出している薬がなくなる時期と同じくするような日数調整はせずに一か月処方とかしちゃってたのでしょうね。もしくはすべて事務職員任せにしていたのかもしれません。

この患者さんは2か所の病院に行かれていましたが、同じ薬が両方の病院でも出されていました。薬手帳見ないで処方している医者がまだいるんだと思いました。

このような症例は枚挙にいとまありません。おそらく70代以降の患者さんの半分は薬の量がバラバラじゃないかと思います。国は薬剤費を減らしたいために、薬価を極限まで下げていますが、そんなことしても焼け石に水です。認知症の独居の生活保護の患者に次々に高額な薬を出す医者、今までの薬をすべて捨てさせてほとんど同じ薬を自分のところで出す医者、こういった無責任な医者を一掃することが必要でしょうねえ。一千億円単位の節約ができるんじゃないかと思われます。

ちなみにこの患者さんの薬は薬局に頼んで数合わせをしてもらいました。一回では調整が無理なので2か月にわたっての調整です。薬局さんには感謝の言葉しかありません。

 

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国立病院機構仙台医療センター臨床研究部研究室長の西村秀一氏は10月3日、ウェブ開催となった第61回日本臨床ウイルス学会の学術集会のシンポジウムで、新型コロナウイルスの伝播様式について講演されました。その記事が医者が見るサイトm3に掲載されていました。

「新型コロナウイルス感染症の感染経路は空気を媒介したものが主流である」と、言ってくれました。
エアロゾル(空気感染の主体)に関しては、液滴の径が5μm程度では沈降速度は1mm/秒、10μm程度では3mm/秒と遅く、また、風に舞うと沈降しなくなるため、長期間空中に浮遊する。また、このような粒子状態であれば、ウイルスは3時間程度、活性を保ち続けることが実験で示されているため、感染者と同じ室内にいた場合、エアロゾルを吸うことで容易に空気感染を起こしてしまう可能性があると指摘。実際、クラスターが発生した現場を分析すると、密閉空間でエアコンの対流に乗ってエアロゾルが拡散したことが原因だと考えられるなど、極端な長距離はさておき、近-中距離の空気感染は十分にあるという状況証拠があり、「空気感染はあり得ない」と主張することには無理がある、と警鐘を鳴らしてくれました。

またヴィネが以前から非難していた蛍光塗料を使った実験にも、「蛍光塗料の分子数と比較するとドアノブなどに付着するウイルスの数は非常に少なく、また、蛍光塗料のように手や顔にベタベタとくっつくこともないため、ミスリーディングだ」と指摘。「実際、ドアノブにウイルス液を吹き付け、乾燥した後に触れても、ごく微量のウイルスしか指に移りません。また、一般環境での生きたコロナウイルスの存在は証明されていません」とその根拠を示してくれました。

ヴィネは西村先生に「鼻うがいのススメ」を提案したいですなあ。

しかしこの空気感染が主体という考えが世界中で共有され始めたのが7月になってからだという。さらにCDCが空気感染を一部認めたのが10月に入ってからだという。すごく遅い感じがするのはヴィネだけでしょうか?さらにひどいのは日本の分科会のえせ専門家。「マイクロ飛沫感染」などという勝手な造語を使って、あくまで空気感染を認めようとしていない。こいつら政府に飼いならされるうちに学問にまで忖度するようになってしまった。日本学術会議の6人を認めないという問題は、こういうところにも影を落としているんだと痛感した。

以上m3の記事を編集して掲載しました。

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睡眠時無呼吸(SAS)の患者さんではCPAPという治療法が中心になりますが、一部の患者さんは煩わしいと言ってやりたがらない方がいます。確かにヴィネもあれをつけて朝まで寝られるかなと疑問です。

SASの原因は舌根沈下です。口やのどの筋の緊張が落ちて、あおむけで寝ていると舌根が落ちて軌道をふさぐからです。だからうつ伏せで寝れば舌根沈下は起こりません。しかしなかなかうつぶせ寝する人はいません。特に肥満体の人は腹が邪魔してうつ伏せでは絶対に寝られません。ところが幼児はうつ伏せで寝ることが珍しくありません。どうしてなのでしょうか?不思議です。

ふと思ったのですが、人間以外にあおむけで寝る哺乳類はいるのかな?
四つ足動物はそのままの姿勢か腹を地面につけて寝ます。ライオンなんかは横向きに寝ているところを見たことがありますし、ときにあおむけになっていることもあるようですが、非常に珍しいでしょう。では少し二足歩行ができるサルの仲間はどうでしょう。やはり人間のように完全にあお向けにはなれないと思います。そうすると脚がまっすぐに伸びないためバランスが悪くなるのじゃないでしょうか?だからせいぜい彼らは何かに寄りかかり、ちょうどハンモックで寝ているような姿勢で寝ているのではないでしょうか?霊長類の研究している方、これであっていますか?

さて人間ですが、人間はいつからあおむけになって寝るようになったのでしょうか?

ヴィネは人間があおむけになって寝ることと、農耕生活の始まりとは深い関係があるという大胆な仮説を立てています。

狩猟採取の生活では人類は悪天候や敵から身を守るために、洞窟に住んでいたはずです。洞窟の床は決して平らじゃありません。何かを敷いたとしてもまっ平のところに寝るのに比べれば相当寝心地は悪いでしょう。そういう環境ではできるだけ体重をかける面積を少なくしたいはずですから、壁などに寄りかかるような寝方がかなり多かったんじゃないでしょうか?

ところが農耕生活が始まると、農耕に適した土地に住まざるを得なくなり、そうなると洞窟ってわけにはいきません。住居を建てる必要性が出てきます。すると洞窟に比べて床が平たんなので、あおむけに寝られるようになりました。体が伸ばせて快適な睡眠環境にすぐに慣れたと思います。

それでも昔の人の生活は質素だったから肥満はいないし、筋肉量も多く、SASになる人は非常に限られていたでしょう。それが飽食の時代となり肥満が増え、またやわらかいものを食べる生活で口周りの筋力が低下して、舌根沈下が増えたのではないでしょうか?

舌根沈下だけじゃないです。睡眠時の開口によって扁桃腺も傷みやすくなり、すぐに風邪をひくようになったのです。
農耕生活って人類の進歩の一つのようにとらえられていますが、影の部分にも目を向ける見方を持つと、狩猟採取の生活も欠点ばかりじゃないと思うようになります。新型コロナも、もし古代だったらすぐに終息したはずです。だって集団同士の交流が現代と比べて非常に少ないから、その集団が全滅すればそれで済むことですから。

 

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N国党って、その名の通りの「NHKから国民を守る」運動をどのくらいしているのでしょうか?知っている人教えてください。ヴィネは比較的NHKを見る方ですが、だからと言ってNHKの番組を無批判で受け入れたりはしません。コロナの感染とは全く違く観点から行った手洗い実験や、蛍光塗料を使ったビュッフェでの接触感染実験を、コロナ感染と関連付けて報道したことにより、国民に与えた恐怖や過剰な防衛手段をさせてしまっていることには謝罪してほしいと思います。

閑話休題

これからの風邪の季節は「NHK国民を守る」ことができます。
もちろん日本放送協会のことではありません。

N=のどはちみつ
H=鼻うがい
K=口ばんそうこう

この3点セット使えば、99.9%風邪を回避できます。もちろんコロナ対策にも有効です。当院待合室にそのポスターを貼っていますが、99%の人はポスターを見ても実践しません。人を選んで私も丁寧に解説しますが、それでも実践にこぎつけるのは10人に一人でしょうか。実際に基礎疾患があって、コロナになったらやばそうと思う人でも「鼻うがいはちょっとねえ、何となくいたそうで」と、やる前から引いています。そういう人はとてもかわいそうだと思うんですが、もう二度と勧めません。

もしこの3点セットをすることが日本の文化として定着したら、日本国民は風邪をひかない国民として世界から驚異と羨望のまなざしで注目されるでしょう。その時初めて言ってやりましょう

「そりゃ民度の違いだ」

ってね。某政治家の根拠のない「民度の違い」とは別格ですよ。

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もし学校でコロナ感染者が出たとします。その学校では初めての症例です。

学校はたぶん感染した生徒が誹謗中傷を受けないように配慮をするでしょう。そのようなことをしないような内容の通知を全生徒にするでしょう。

しかしここで濃厚接触者(とはいってもおそらく同じクラスの生徒全員と先生は最低するでしょう)のPCR検査をして、陰性が証明されるまで全生徒登校禁止処置をとったり、全校を消毒したりまでしたら、果たしてその生徒はどんな気持ちになるでしょうか?「俺のせいで・・・」という申し訳ない気持ちに当分さいなまれるでしょう。

誹謗中傷はしないようにとはいっても、そこまでの感染防御対策取ると、誹謗中傷の下地を作る可能性があります。もちろん学校内の消毒が感染予防に効果的という科学的根拠があるなら行うべきですが、そんなものはないのです。だったら半日程度学校の窓を開けて換気すれば済む話です。そのほうがよっぽど科学的根拠があります。

学校を例に挙げましたが、どこの職場でも同じです。
専門家は予防対策ばっかり言葉にするのではなく、必要のない予防策はするべきではないということもアナウンスしなければなりません。まあ、今の分科会の専門家は政府の言いなりだから駄目だろうなあ。

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コロナパンデミックで、はとバスも何か月も運行できていないといいます。ガイドさんも人前でしゃべる機会が失われて、将来に不安を感じる日々を送っています。

そしてGo Toトラベルが救いになりました。やっと少しずつ元の日常が戻ってくるのです。

ところが、あれ~!?それ意味あるの?と思われるテレビ映像をみました。

ガイドさんが営業再開される前の準備として、一人でマスクをつけてバスの中の座席などを丁寧に消毒しているのです。もちろん会社の判断でしょう。そしてその会社の判断は専門家会議や分科会、その影響を受けたマスコミの報道から判断して「消毒しなきゃだめだ」と思ったのでしょう。

しかし、何か月も人が利用していないバスの中にウイルスがいるわけありません。非常に無駄な作業です。もっとも営業再開前のほこりなどをとる単なる掃除としてやるんなら、ついでにアルコールでやったらいいんじゃないか、てな考えかもしれませんが、それでもアルコールの無駄使いでしょう。

このような光景は何度も映像で流れます。コロナ対策で最も無駄な作業は、病院など危険性の高い場所以外での日常的なアルコール消毒でしょう。

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もうすでに何度も書いてきましたが、改めて非常に重要な事柄なので、まとめの意味で再掲載します。

ヴィネは医者になって間もなく、風邪をひいていた時に抗生剤を飲んでいるところを同級生に見られて
「風邪はウイルスだからな、基本抗生剤じゃないぞ」と言われたことをつい昨日のことのように思い出します。

しかしそれから何年もの間、先輩医師が何のためらいもなく抗生剤を出すシーンを見てきました。そしてその理由がほとんど「風邪ひいて体力落とせば細菌性の肺炎になることもあるから、予防的に出すんだよ」でした。当時は「抗生剤を出さなきゃ、PLみたいな総合感冒剤だよなあ、しかし総合感冒剤には解熱剤も含まれている。熱がないのに解熱剤というのは、細菌感染していないのに抗生剤出すのとあんまり変わりないじゃないか」と頭の中は混乱していました。
  少しレベルが上の先生は、鎮咳去痰剤を組み合わせていくつか出したり、症状に合わせて鼻水や扁桃腺の薬を出したりしていました。しかし多くの風邪の患者さんを扱うのに、いちいち症状に合わせて薬を変えるのは大変手間のかかる作業で、多くの病院では「決まり処方」というのがあって、結局は総合感冒剤みたいになってるんじゃないかという疑問がずっと残っていました。

ろくな進歩がないまま長い年月が過ぎました。年に3回ぐらいのどが痛くなり熱を出して寝込むことがあったかもしれません。

1997,8年ころに漢方を学びました。西洋薬よりも漢方のほうが風邪に対してはずっときめ細かい配慮がなされていると思われました。そして早め早めに薬を飲むこともするようになりました。しかし今までに比べて劇的に治りやすくなったかというと、私の体があまり官報に反応しないのか、それとも処方の仕方が悪いのか、強く効果を実感することはありませんでした。

そしてすでにご存じの方もいると思いますが、1999年のスパルタスロンで転機が訪れました。レース前日に乾燥したアテネの街を走って、夜中にのどが痛くなり、苦肉の策で手持ちのニンニク蜂蜜を痛んでいるのどに垂らしたのです。すると劇的に効果を発揮して、翌日には万全の体調でレースに臨み3位に入賞したのです。

2000年に開業しましたが、その時以来、「扁桃炎にはのど蜂蜜」と何度言ってきたか・・・。ヴィネ自身ものど蜂蜜をやることで、高熱を出して寝込んだり、仕事を休まなければならないということはなくなりました。しかしのど蜂蜜はのどには効果があるのですが、鼻かぜには無力でした。のどの痛みは蜂蜜で瞬く間に良くなるのですが、その後鼻水に移行してしまうのです。したがって鼻声になったりして患者さんに「先生風邪ひいた?」と言われて、ちょっと悔しい思いをしていました。

そしてさらにレベルアップしたのは口ばんそうこうのおかげです。のど蜂蜜は言ってみれば早期治療であって予防法ではないのです。しかし口ばんそうこうは究極の予防法になるのです。
このことでヴィネは粘膜の機能に気づきました。つまり「粘膜は乾かしてはいけない」ということです。乾かしてしまうと本来粘膜の持っている機能は全く発揮されなくなってしまうのです。そしてのどが渇く要因は寝ているときに口が開いているからなのだと気づきました。おそらく人間は上向きで寝るようになり、それまでより長い時間口を開けて寝るようになったはずです。酒を飲むようになると余計顎周りの筋肉の緊張が取れて口が開きやすくなります。肥満がそれに拍車をかけます。

こうしてほぼ完ぺきに風邪をひかなくなるという領域に達することができました。今年2月にはさらに進化して鼻うがいを取り入れました。ヴィネの場合ほとんどがのどからくる風邪ですので、鼻うがいを導入しなくても完璧な対策になるのですが、鼻かぜひきやすい人は、これを完璧に予防するには鼻うがいが必須になります。また、新型コロナは予想できない行動をとることがあるので、鼻に入ってきた時点で対処する必要があるという考えに至ったわけです。

こうして40年に及ぶ医者生活で風邪をひかない神の領域に達したのです。えへん!!

「風邪に効く薬が発明されたらノーベル賞ものだよ」と聞いたことがあるけど、来年のノーベル医学生理学賞はもらえないでしょうか?

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当番医をしていた時のことです。両脚を防水シーツのようなものをぐるぐる巻きにした女性が入ってきました。

シーツは浸出液を大量に吸い込んでじっとりと重いです。そして下腿は著明に腫れ上がり、たっぷり水を含んだ段ボールのようにごわごわとむくんでいます。皮膚色はくすんだ紫色となり、ふくらはぎのところは潰瘍ができていてそこからの浸出液が特に多く、見ているそばからぽたぽたと落ちてきます。

いつからこうなったのか聞くと半年前からだという。持病として糖尿と高血圧があるという。しかし糖尿病性の壊疽ではなさそうだ。いったいどうしてこうなったのか、そのきっかけは小さな湿疹だという。それに先んじて尾骨を折ったらしく、それ以後足がむくみ始めてこうなったのだという。

2か月後には一時近所の病院に入院したものの勝手に退院してしまったという。その後別の病院の医師に往診に来てもらい治療していたが一向に治らず、日曜の当番の時に当院を受診したという。

このようないろいろ事情のある患者さんが来ることは珍しくなく、ヴィネはここで何らかの決着をつけなければならないと気を引き締めなければいけません。まずどんな病態なのか理解しないといけませんが、この患者さんが当院を受診したという段階で、これまで往診していた医師から情報を提供してくれる可能性はなくなりました。おそらく患者さんから頼んでも提供してくれないと思います。もちろん患者さんの気持ちを考えればヴィネからも頼める状況ではありません。

2,3回外来で治療しましたが、(自分で処置をするのに)疲れたのでしばらく入院したいといってこられました。また内縁の夫がいびるのでつらいとも漏らしました。そこで一度入院したことのある病院に入院以来をしましたが、「以前よりよくなっているので入院する必要なし」と断られました。無断退院したことが尾を引いているのでしょう。しかしやはりいったん入院して落ち着く必要がありそうなので、懇意にしている病院に頼んで1週間ほど入院させてもらいました。

退院してからは在宅医療で定期的にフォローしたのですが、まず取り入れたのは毎日の下肢の洗浄温浴です。訪問看護師さんにお願いして毎日丁寧な処置をしてもらいました。私がやったのは薬の選択と整理です。往々にして高齢の患者さんは大量の薬が処方されていて、それをどれだけ飲んでいるのか全く把握できていません。それを必要最低限まで減らします。そして出した薬はちゃんと服用してもらうようにします。

一進一退の状態が続きました。たまたま読んだ本でうっ血性下腿潰瘍に越婢加朮湯を服用して改善したという報告があり、この薬を使うことにしました。そしてゆっくりですが皮膚の状態が改善していきました。

浸出液もごくわずかになったところで、安心したのか患者さんが当院を受診したころの話をしてくれました。

当院受診したことを、それまでの受け持ち医に言ったときに、タイトルの「誰の紹介で行ったんだ!?」と怒鳴られて返されたとのことです。

「誰にも紹介されてませんよ。自分の判断で行ったんです、って言ってやりましたよ」それを言うだけでも相当勇気を奮っていったのだと思います。「だって何もやってくれないんですよ。看護師さんだってただ防水シーツを取り換えるだけですから」とも言われていました。

治療の90%は半年にもわたる献身的な看護師の下腿の洗浄と薬の塗布でした。感謝しきれません。

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どこの病院に行っても熱発者の肩身が狭いです。

まず気軽に院内に入れません。万が一を考えるとそれは仕方ないことです。ほとんどの患者さんはそれを理解してくださっているようで、前もって電話かけてきます。しかし中には直接来る方もいます。そんなときの対策として、玄関にこんなものを置くことにしました。

自作です。塗装以外は半日で作りました。費用はビスと塗料代と電気代くらい。木は端材です。特に柱の部分は流木です。おそらく建物の梁に使われていたと思われます。溝がそれを物語っています。

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