医療現場では薬の出荷調整という言葉が頻繁に聞かれます。簡単に言うと「薬が足りなくて出荷できません」ということです。
何でこんなことになるかというと、いろんな理由があるのでしょうが、その一つとして、「あまりにも薬の値段が安くて儲けにならないから、作るのやめた」という会社が多いのです。
医療費削減のために、国はまず先発品から後発品にシフトさせました。だから先発品メーカーは先発品を作らなくなりました。雨後のタケノコのようにたくさんできた後発品メーカーは、どれも小さなメーカーで資金力が十分じゃありません。そこに薬価の値下げが襲いました。これでは利益が出ないと、メーカーは次々と生産中止に追いやられました。そこにインフルやらコロナの流行で、薬の需要に追い付かなくなり、出荷調整となったわけです。
テレビで流れていたニュースでは、アスベリンという鎮咳剤が足りなくなっていると報道されていました。ここでヴィネは思いました。「アスベリンって効果ないよなあ」
アスベリンに限らず、鎮咳剤はあまり効果を実感しません。皆さんもどうでしょうか、咳止めで実際咳が止まったという経験はあるのでしょうか?咳止めで効果があるのは、風邪の治り際の激しい空咳の時のぜんそくの吸入薬くらいじゃないでしょうか?それ以外の咳は痰を出すための咳だったりして理にかなった咳なわけで、無理やり止めるべきでもないのです。解熱剤も、病気の初期に悪寒戦慄を伴い勢いよく39度くらいまで一気に上がる発熱に、解熱剤は効果がありません。
最近、ヴィネは左手の甲を虫にさされました。虫は確認はしていないのですが、鋭い痛みを感じました。その後3日は何ともなかったのに、4日目から急に腫れ上がってかゆみも出てきました。今まで経験したことのない腫れです。かゆみもありますが、ふつうは効果のあるステロイドも最強なものを使っても全く効果ありません。アレルギー薬を飲んでも全く効果なし。唯一効果があったのは保冷剤でした。知らない人も多いかもしれないですが、激しいかゆみに即効性があるのは保冷剤で冷やすことです。
なんと腫れは1週間たってもまだ続いています。次第に良くはなっているのですが、結局薬はほとんど使わずほぼ自然経過で治っていきました。
このように人間には自然治癒力が備わっています。病気になったら薬を飲まなきゃいけないなんてことはないのです。風邪をひいたら風邪薬ではないのです。ひたすら寝て体力を温存するのが最良の治療法なのです。風邪薬で風が治ることはありません。ほとんどは薬を飲まなくても自然経過で治ります。