吉村大阪府知事が「ポピドンヨードうがい薬を使うと唾液のPCR検査陽性率が低くなる」と勇み足発表してから、いまだに店頭では品薄状態が続いているようです。この発表直後から、根拠の薄い研究報告を知事という立場の人間が行うことへの非難が相次ぎましたが、いまだに騒動が収まらないことでテレビの影響力の大きさを痛感します。
ポピドンヨードうがい薬の効果検証が果たして「研究」と言えるレベルのものかどうか、とても疑いがあります。おそらく専門誌には載せられなかったでしょう。
まず検察対象がわずか41人。うがい薬でうがいした群としない群に分けただけで、水うがい群も加えた比較がなく、これではポピドンヨードが効果あったのかどうかはわかりません。水うがいのほうが効果があったかもしれません。だったら水でいいやということになり、店頭での品不足という騒動には至らなかったはずです。
この研究(?)を取り仕切った松山晃文大阪はびきの医療センター次世代創薬センター長がテレビで「ポピドンヨードは20倍のパワーがあるといっても過言ではない。ちょっと言い過ぎかもしれませんが」と発言するなど、根拠明示することなく自分の思いだけでこのような騒動の引き金になったことへの反省が見られない。
7%のポピドンヨード液は15~30倍に希釈して一日数回うがいするとなっているが、果たしてその使い方をどれだけ守っているだろうか?50~100倍程度まで薄めて使っていると思われる人もいるし、一日数回もうがいしているかなあ。またうがいする時間は何秒、何分という決まりはない。生真面目な人間はむしろ少ないです。ほとんどがずぼらというのがヴィネの人間観。うがいぐすりに群がる人がコロナ予防にそんな生真面目にうがいしているとは思えません。