ヴィネ健診からは以前「人間の体で鍛えられるところは脳と筋肉しかない」と言いました。よく「胃を鍛える」なんていう人がいますが、そんなことできませんよ。むしろ胃は鍛えようとしちゃいけません。病気になります。
昨日のためしてガッテンで「握力が強ければ寿命がのびる」という内容の番組でした。福岡県の久山町の住民健診からわかったそうです。番組の作り方として「握力」はインパクトがあるけど、結局「筋力」ですよ。筋力があれば長生きするってことです。新鮮だったのは、何も握力を鍛えなくても、つまりスクワットなどほかの筋肉を鍛えただけでも握力はアップするということです。
その理由はIGF-1(インシュリン様成長因子1 ソマトメジンCともいう)という物質によります。つまり、筋肉を使うとその刺激でソマトメジンCが分泌されて全身の筋肉に回りその筋肉も強くなるというわけです。番組では腕は鍛えずにスクワットで太腿を鍛えること3週間、すると握力が5~10キロもアップしたという内容でした。なぜスクワットなのか、番組では説明でしていませんが、理由は簡単です。つまり握力に関する筋肉は小さすぎて、鍛えてもあまりソマトメジンCが出てこない。強大な太腿を鍛えるほうが効率的だってことです。腹筋や殿筋も強大な筋肉なので鍛えがいがあります。
多分握力は検査して評価しやすい筋肉なので、久山町では健康診断に利用したのでしょう。本当はスクワットすれば長寿に結びつくというべきなんでしょう。でもためしてガッテンを見た人は絶対に握力鍛えるでしょうね。そういう印象を植え付ける番組の作りでしたから。