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掲載分の原文 - その他

以下が朝日新聞に掲載された分の編集前の原文です。文字数の制限があり、編集されるのは仕方ありませんが、やはり少しこちらの言いたいところがオブラートで包まれた感じになりました。見方を変えれば実物よりソフトな印象を与え、仏様みたいな先生と過剰に評価されちゃうかもしれませんけど。

12月8日付「自己決定支える医療まだ遠く」の木村利雄氏の投稿を読み、在宅医療に携わる立場からの意見を述べたい。

終末期は治療が奏功しなくなったり、治療に対する患者さんやその家族の考えは大きく変わる傾向にあります。しかし外来医療では時間の制限があり、多様な考えに十分対応できていないのが現状です。それなのに、多くの病院では患者さんが通院できるならいつまでも通院させる傾向にあります。

私は患者さんが1年以内に亡くなっても不思議ではないと思われた時にはそろそろ在宅医療を考えるべきではないかと思う。例えば風邪や湿疹など原疾患とは関係ない症状の時に在宅医を受診し、その際在宅医療の相談もしてみてはどうだろうか。多くの在宅医は患者の多様性を受け入れ、話を聞くことに時間を割いてくれるだろう。現状、病院から紹介される患者さんの予後は3か月くらいしかないことも多く、本当に満足した最期を迎えられたのか疑問が残ります。もし在宅医療に入るまでにこのような形で「在宅準備期間」があれば、患者さんの自己決定を支えるのに十分な時間があるので、単に自宅で最期を迎えるという数の実績だけではなく、尊厳ある死を全うできるという在宅医療の質も向上すると思われる。