持続可能な開発目標と訳されるSDGsですが、それを達成するためにたくさんの目標が掲げられています。その中でヴィネは「クリーンなエネルギーをみんなに平等に」とか「気候変動に具体的な対策をとろう」というところに関心があります。
ヴィネの解釈では化石燃料に頼る比率を減らし、さらには原子力にもできるだけ依存せずに、クリーンエネルギーを広めることが、地球温暖化にブレーキをかけて地球を長持ちさせることだ、ということです。
そこでランナーの存在ですが、ランナーは呼吸が荒くなり、大量の二酸化炭素を排出します。「健康維持のためには運動をせよ」というのが世間の常識ですが、もし運動しない人たちに排出二酸化炭素の量の多さを指摘されたら、ランナーに限らずスポーツをする人たちはぐうの音も出ないはずです。だからヴィネはランニング中に目立たないように道路の端っこを走るように心がけております。
しかしそれでも排出二酸化炭素の量が減るわけではありません。そこでヴィネは考えました。「ランニングウエアを洗う回数を減らせば、それによって水、洗剤、電気の消費を減らすことができ、SDGsに貢献できるのではないか?」
短距離走っただけではウエアはたいして汚れません。特に冬場は数キロ走っただけでは汗でウエアが濡れることはありません。しかもこれまでのヴィネのランはアンディとの散歩走が中心だったので、2,3日は洗わずに同じウエアを着ても何ら問題はありませんでした。
ところが最近は気温が上がり、ゆるジョグ程度でもうっすらと汗をかくようになりました。しかしまだその程度では「使ったら洗う」という行為には踏み込めません。ヴィネの洗濯の基本は「汚れたら洗う」ですから。
状況が変わったのは6月になり、新たなランニングフェーズに突入してからです。自己ランで気合入れて走ると数キロで汗でウエアが濡れます。今日なども散歩走で4キロ、通勤ランで5キロ走るとウエアは全体にしっとり濡れます。普通はこれで洗濯するのが常識です。
しか~し、ヴィネは地球に負担をかけたくないという思いから、帰宅ランにもこのウエアを着用することにしました。
問題は濡れたウエアを着るときの気持ちの問題です。濡れて重くなったウエアも気分がよくありませんが、さらに「ウっ」っと一瞬息を飲むような汗のにおいです。シリアスランナーならすでにお気づきだと思いますが、大量にかいた汗は脱いだ直後だとトウモロコシのにおいがしますが、時間がたつと皮脂が酸化して酸っぱいにおいに変わります。(この事実を知らないあなたはまだまだランナーとしては一人前ではありません)
「これを着るのか・・・」一瞬のためらいが頭をよぎりますが、「地球のため」と気持ちを取り戻してランに出ます。ひとたびランに出れば、これまでのネガティブな気持は吹っ飛び、地球温暖化抑制に貢献できたとの満足感に浸ります。
このヴィネの努力も、次第に気温が暑くなればできなくなります。その時はまた世間に申し訳なさそうに下を向いて走るつもりです。