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血圧測定の疑問 - ブログ

ヴィネは高血圧の患者さんには自宅血圧を測ることをお願いしています。その中でも起床直後の血圧が重要なので、起床後30分以内の測定を特にお願いしています。そしてそれを血圧手帳に記録することまでやって初めて血圧の自己管理を行ったと考えています。

血圧手帳には「家庭での血圧の測り方」として次のようなことが書かれています。

  • 一日2回朝と夕方に測定 朝は起床後1時間以内 夜は寝る前
  • 静かで適当な室温の部屋で、背もたれ付きの椅子に座って、足を組まずに腰を掛けて、1~2分間安静にしてリラックスしましょう
  • 測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取は控えてください
  • 測る腕の部分と心臓を同じ高さに保ってください
  • 測定中は会話をしないでください

そして記録するところには、2回測定するように書かれています。中にはその平均値まで書くように求めている手帳もあります。これらの内容は循環器の専門医の監修を得ていますが、血圧が下がることを期待しているという意図が読み取れます。

ある循環器内科専門医の医師が書いた研究論文の中にも同様のことが書かれており、その中には現実的ではないと断りつつも「安静時間は5分以上、複数回の測定が必要である」と書かれていました。そして随所に「正確な血圧の測定するには」という言葉がちりばめられています。

ヴィネはここで強い疑問を感じました。「正確な血圧って何を言っているのだろう?」
もし上の規則通りに測定しなかったら、それは正確ではないというのでしょうか?例えば酒飲みながらタバコ吸った直後の血圧は、うその血圧なのでしょうか?大掃除しているときの血圧はその人の血圧ではないのでしょうか
そんなことはないですよね、測られた血圧はすべてその人の血圧であって、例えば仕事上強いストレスがかかっているときは血圧は高いはずですが、その時は測らず、しばらくリラックスして測定して下がった血圧を測定して、その人が「ああ、あんまり高くないや」と安心したら、高い血圧を見逃していることになり、とても危険ではないでしょうか?

24時間行動下血圧というのがあります。15分とか30分間隔に自動的に血圧を測定してくれるものです。これによってその人はいつ血圧が高くなるのかがわかります。学会ではこれが「外来血圧より優れた心血管イヴェント(心筋梗塞などの発作)の予測因子であることが多くの疫学調査で報告されている」としています。しかしこの機械は一度に測定する血圧は1回であって、複数回測定したり平均値を知らせてはくれないです。また運動中でも寝ているときでも、通勤中でもお構いなしに時間になったら腕をギューッと締め付けて測定し始めます。これは家庭血圧測定の測定方法を完全に逸脱しています。言ってみれば「測り方としては失格」です。

ヴィネは世に広がる血圧測定方法に、非常に矛盾を感じます。そして血圧測定は朝一の測定が一番重要で、測定は一回で終了という異端の指導をしています。さらに寝る前に血圧は特に必要ないとしています。その理由は、就寝前というのはおそらく浴後なので、血圧は下がることが予想できるからです。もし2回測りたいという方がいれば、外出から帰った後や仕事中など「もしかすると高いかもしれない」というときに測定することを勧めています。そのため、正確性は落ちるけど携帯性が高く、どこでも測定できる手首血圧計をお勧めしています。冬に厚着しているときに腕をめくって測定してくれる人は非常に少ないですからね。誰もやらない正確な測定方法より、誰でもできるちょっと不正確な測定方法のほうがいいと思うんですが、おそらく専門家からは叱られるでしょうね。

血圧は連続して測定ると1回目が高く2回目以降は低く出ます。これは血管の圧迫によって血管内皮細胞から一酸化窒素という血管拡張物質が出るからです。ということは1回目の血圧が正しく、2回目以上は人工的に操作された血圧ということにならないでしょうか?

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