ほかの病院で爪水虫と言われて、当院で継続してその薬を処方してくれないかとお願いされました。
一見して爪水虫じゃないとおもいました。
「本当にそう言われたの?」
「はい、爪とって顕微鏡で見て爪水虫って言われたんです」
ヴィネはその言葉で嘘だと断定しました。爪をとって顕微鏡で見てもすぐにはわからないのです。しかもその人の爪の白癬菌感染といわれるところは爪の先端にはないのです。爪の中間部分にあったのです。爪の先端にあるのならすぐに検体を取れますが、中間部分に孤立してある病巣をとるのはかなり面倒です。とてもそんなことをしたとは思えません。
そもそも爪水虫の色調や形態と全然違うのです。だから
「爪水虫の治療をする意味ないんとおもいますよ」と言ったのですが、
「でももう少しずつよくなっていますよ。少しずつ(先端に)移動していて、もう少しでなくなりそう」
当然爪は伸びるので、ただそれに応じて白い部分が前に進んでいるだけなのです。つまり治療してもしなくても爪が延びればなくなっていくだけのことです。
「ほかの治療法ですぐに治ると思うんですが」と言っても、この方は最初に言われた言葉をひたすら信じ切っているので、これ以上の説得はやめました。いずれにしても1か月後にはこの人の問題は解決しているのだからいいのかもしれませんが、こんな医療がはびこっていると思うとやりきれなさを感じます。